とっても嬉しい回復タクさんは、順調に回復していきました。肺高血圧からくる肺のむくみが徐々に取れ(脇の下の部分がプヨプヨしなくなった) 人工心肺を使用すると、一時的に腎臓の機能が落ちる事があるため行っていた腹膜透析も早い段階で取れ(おしっこがキチンと出るようになった) 内部の出血を排出していたドレーンも取れ(出血がほとんど出なくなった) 心臓の動きも落ち着いて正常値にどんどん近づいて行きました。 予定通り、5日間でICUからNICUへと移ることが出来ました。 NICUで人工呼吸器が外れた後は、自分の口から(哺乳瓶で)ミルクを飲むようになりました。 ダッコも出来る様になりました。 <飢えているタクさん専用のおしゃぶり(家庭で応用も可能!?)> まだ酸素が投与されていたので、心配と言えば心配でしたが、自分達でオムツを換え、ミルクを飲ませ、ダッコできる様になり、夫婦は嬉しさに包まれていました。 産院に居た頃は、ミルクをあげても上手に飲んでくれず、量も少なく、下手なんだろうか? と悩んでいましたが、それは酸素不足で苦しくて、ミルクどころでは無かったからだと悟りました。 本当は、おっぱいを飲むのが上手な子でした。 哺乳瓶を咥えさせると、鼻で上手に呼吸しながら、チューチューと飲み、ゲップも上手に出せる親にとっては楽チンな子でした。 (正直、兄くんよりも吸う力が強く、鼻呼吸も乱れないお手本の様な飲みっぷり。) <NICUに来て始めてパパとママからおっぱいをもらうタクさん> 点滴も全て取れた時点で、NICUからGCUへと移され、回復に益々磨きがかかり、オペから3週間で退院の見通しがつきました。 GCUに移ってからは、順調に体重も増え、おっぱいも「もっと、くれくれ」状態だったそうです。 GCUでは、毎日の体重増加が嬉しかった夫婦。 また、哺乳瓶での授乳や、日に日に肉付きが良くなって行く姿、夫婦をジッと見つめるクリクリした瞳、ちょっとかすれ気味だけど大きな声で泣く姿は、本当に嬉しかった。 心の隅に少し不安は付き纏って居たものの、全般的には安心して日々の面会に通って居ました。 旦那は、仕事の都合で面会時間までには帰れなかったので、土日に顔を出していました。 退院したら、毎日世話して上げられるという思いから、週2日で我慢していました。 退院が決まると、その準備として退院前検査が1週間かけて行われ、授乳もおっぱいから直接あげられるようになりました。 この頃には、1回の授乳が65mLと最初の頃の30mLに比べ、倍近くにまで増えていました。 65mLしか飲んでいないのに、本当に順調に体重が増えて行き、夫婦はまだかまだかと退院の日を待っていました。 今となってみれば、この頃が一番嬉しく楽しい時期でした。 タクさんの色々な表情、動作、看護婦さんとの楽しい会話など、旦那にとってのタクさんの想いでの中で、もっとも輝いている時期でした。 <ママと> <パパと> ちなみに、おっぱいから直接飲ませていた奥さまによれば、タクさんは授乳指導組の中でアイドルだったそうです。 それは、飲む量とゲップ。 本当は60mL前後なのに、タクさんは毎回飲み過ぎ。 最初の指導時に、飲むだけあげてしまってOKとの事だったので、好きなだけ飲ませたところ、160mLも飲んでしまったそうです。 これには、新生児室のスタッフみんなビックリ。 2回目以降は、「時間を計って飲ませるようにしてください」と言われたそうですが、それでも100mLくらいは毎回飲んでいたそうです。 そして、ゲップ。 ゲップを出す事がとても上手だったタクさん。 しかも、大きなゲップ。 他の子が驚いておっぱいから口を離してしまうほどだったそうです。 さらに驚きは、自分で勝手にゲップをすること。 おっぱいを咥えながら、苦しくなると自分で乳首を離して「グエェェエエエ。。。。」っと。 平然としているタクさんのこのゲップで、一緒に授乳指導を受けていたママさん達の笑いを得ていたそうです。 奥さまは、少しの恥ずかしさと、大きな誇らしさ、幸せ感を味わっていたのではないでしょうか。 旦那は、この様子を見れなかった。 奥さまは、「退院したらこのゲップで、旦那起きちゃうんじゃないの?」と冗談を言っていた。(この冗談は、悲しい事に現実にはなりませんでした。) <母乳を飲んで満足の表情!? まだ足りないの?> 退院を控え、幸せだったGCU生活だけに、「たら・れば」の尽きない旦那です。 旅立ってしまったけれども、その分、GCUで数々の楽しい幸せな想いでをタクさんは残してくれました。 ありがとう。 ジャンル別一覧
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